軽度難聴 42歳女性 (診断データ付)
こんにちは!鮫島です。
以前、逆子(29週)治療で来られた方から朝の10時頃にお電話がありました。
「もしもし、逆子治療でお世話になったOOです。先月無事出産できました。ありがとうございました。」
「そうでしたか。良かったですね。」
「先生、実は耳が聴こえなくなって3、4度低い音が聴こえるし、二重に聴こえて右耳が塞がっている感じが続いている。それから、左耳が痛いような気もする。」
「話の感じでは、突発性難聴みたいですよね。耳鼻科で何といわれたのですか?」
「耳鼻科行ってないです。」
「えっ?耳鼻科行ってないんですか?もし突発性難聴や低音性感音性難聴だとしたら、鍼灸治療は有効です。しかし、うちでは聴力検査ができません。聴力の落ち方によって予後が変わってきますので、一度耳鼻科で診察を受けた方が良いですよ。」
「わかりました。」
耳鼻科を受診し、夕方にお電話を頂きました。聴力検査では右耳125Hz250Hz500Hzがおれも25dB(正常)であるのに対して、左耳125Hz40dB、125Hz45dB、500Hz35dBに落ちていて軽度難聴ということでした。
2014.8.19(初診)
プロのフルートの演奏者でしたので、音には敏感で耳の感覚が鋭敏で少しの違和感でも気になるように感じました。耳の調子がおかしくなったことで、音楽に直接影響していたようです。
院長が望診すると、頭に熱(炎症)の反応がありました。
切診をすると、左腕に反応があり、そこに灸頭鍼をしていきました。
うつ伏せで頭に灸頭鍼をして鍼の上の艾を燃やしていきました。
手足にダイオードを貼り付加をかけて検査をしていくと、反応がまた出てきましたので、最後は頭にテイシン(刺さない鍼)を当て治療が終わりました。
院長「この反応(炎症)がある時は続けて治療にきた方が良いです。明日も治療来ていただけますか?」
患者「はい、きます。スッキリしました。ありがとうございます。」と話していました。
また、治療中は逆子治療で来られていた時、お腹に入っていた生後一カ月の赤ちゃんも連れてきていて、隣のベッドとくっつけお母さんは子どもの様子を横目で気にかけながら治療をうけていました。
2014.8.20(2診目)
患者「二重に聴こえていたのがなくなった。3、4度低い音が聴こえていたのが昨日フルートを吹いても聴こえなかった。」
院長「お~来週の演奏会に間に合いそうですね。」
2014.8.21(3診目)
患者「ふらふらする。今朝の“今日のわんこ”の音が割れないで聴こえた。」
院長「ふらふらするんですね。音が割れないで聴こえたのはいいですね。」
2014.8.23(4診目)
患者「少しめまいがする。」
治療後、スッキリすると言われていました。
2014.8.27
患者さんの反応は調子が良さそうでしたが身体の感じからまだ治療をした方が良さそうでしたが来院されていないことが気になっていました。
頭の反応は熱(炎症)の所見がみられました。急性炎症の時は治療を続けて行うのが鍼灸治療の鉄則であり、熱(炎症)から寒(循環不全)に変わるまではなるべく毎日続けて治療をすることが大切で途中でやめてしまうと予後が良くないことが多いです。また、実際に今までの症例を通して熱の状態の時に継続治療を続けた方は、予後が良いことから心配になり、院長が電話をして調子を尋ねると、
「自分の中では完全に良い。来週のコンサートの練習時間がなく、治療に行けません。コンサート終わったらまた伺います。」ということでした。
その3ヵ月後にお手紙が届きました。
「先生、ご無沙汰しております。○○です。耳の方はすっかり良くなりました。ありがとうございます。何かありましたらすぐに先生の所へ行かせてくださいませ。来週、演奏会をやります。年に一度、自主企画しているもので大変気合いを入れております。20時半過ぎまでやっていますので宜しければ是非お運び下さいませ! ○○○○」と書かれていました。そして、嬉しいことにコンサートのチケットが同封されておりました。
患者様からの喜びのお便りは本当に嬉しく思います。
耳の調子が戻って良かったです。コンサート楽しみです。