突発性難聴 31歳女性(右耳軽度難聴・閉塞感) 診断データ付
31歳女性です。
10日前に風邪を引いてから、突然右耳が聞こえなくなり、耳鼻咽喉科で「突発性難聴」と診断されました。聴力検査のグラフでは、低音域 左耳が15dBで右耳が30dBに落ちていて、「軽度難聴」でした。
発症して10日後から鍼灸治療を開始しました。
8/30(初診) 耳鼻科に通っているものの改善しているのかどうかわからず、右耳の聴力が落ちて、「閉塞感」がありました。特に閉塞感がきつく、いつまでも出口の観えないトンネルの中を歩いていることに疲れ、元気がなく暗い表情をされてキツそうにみえました。
院長が望診(始原東洋医学式)をすると、頭に熱(炎症)の反応がありました。身体の反応をみてなんとなくホッとした顔をされた院長が話し始めました。
「今ならまだ間に合うかも知れません。当院では、突発性難聴の発症後1週間以内であると全音域が70~80dB位落ちていても、治療を続けていただいたら1週間後に半分位聴力が回復し、2週目には耳鼻科の聴力検査で左右差がなくなり、閉塞感と耳鳴りが残っていたので治療を続けて1カ月後には左右の聴力に差がなく、耳鳴り・閉塞感もなくなり元通り回復した例があります。基本的には1週間以内に治療を開始しますと聴力だけでなく耳鳴り、閉塞感なども完全に回復していくことが多いです。ほとんどの方が聴力よりもこの耳の不快感(耳鳴り・閉塞感)が辛くて来院されています。OOさんの場合は10日経っていますが、聴力がそれほど落ちていません。以前、低音域が40dB位まで落ちていてめまいがあった為に入院していた患者さんがいました。その方は発症後17日から鍼灸治療を開始しました。退院時に病院では、『このまま聴力は戻らず、耳鳴りも残る可能性が高い。これ以上回復するのは難しい』と言われていたのですが、約2週間鍼灸治療を行い、聴力も元に戻り、耳鳴り、閉塞感、めまいも完全になくなりました。治療開始が遅れて1週間超えて3週間~1カ月以内に鍼灸治療を開始しても元に戻る方がいます。
それには、2つ特徴があります。
1.身体の反応が我々の診断方法で熱(炎症)であること。
2.聴力落ち方が40~50以下で軽度であること。
今回○○さんはこの2つの条件を満たしていますので、治療を続けて頂けたら戻る可能性が高いです。先ずは1週間続けて治療に来てもらえますか?」
という話を院長が治療をしながら話していました。
治療の最後、頭にテイシン(刺さないハリ)を当てている時に、院長が「ココ、軽くないですか?」と頭の“気”の詰まりがあった場所に手を当て聞くと、「はい。スッキリしています。」と何だか顔も全体的にシュッと細くなっていて、スッキリした表情をしていました。
院長「この治療の特徴として、治療後にこの頭のスッキリ感が出てくることが多いです。突発性難聴は我々の診方では頭に原因があることが多く、○○さんも頭に“気”の滞りがありましたので、頭の流れを良くすることが大切だと治療経験から感じています。」
それから、2日に一度のペースで治療に来ました。
9/1(2診目)「昨日1日良く、耳の詰まりがだいぶ良い。」
院長「お~。良いですねぇ。」
9/3(3診目)「あくびをすると耳抜きができる。しばらくすると詰まる。」
この間、鍼灸治療だけでなく、自宅でも保冷剤で後頭部を冷やしてもらうようお願いしていました。
9/5(4診目)院長が望診すると、頭の熱(炎症)の病態が寒(循環不全)に変化していました。ここで、身体のサインに従い、治療を冷やす治療から、温める治療に変更しました。患者さんのコメント→「聴力はほぼ良い。」
9/11(5診目) 調子良く、聴力を測りに行こうとしたら耳鼻科が休みだったそうです。
この時、耳の閉塞感を聞くと、「たまに詰まるが、耳抜きで戻る」と言っていました。
治療中、とても気持ち良さそうにうけている方でした。近視で“目も疲れやすい”といわれていたので目の周りのハリをすると、「スッキリ見えます。何だかクリアーです。」と嬉しそうでした。子育てで肩こりもキツそうにしていましたが、鍼灸治療後は肩周りも緩み、全体的に身体も軽そうでした。
2週間詰めて(2日に一度)治療に来てもらい、調子が良さそうだったので、1週間空けて、様子をみてもらいました。
9/18(6診目)「耳はスッカリ良くなった。」
「昨日、寝違えました」と首がうまく回せていませんでしたが、
耳の治療後、寝違えの治療もして、「楽になりました。」と喜んで帰って行かれました。
発症10日後から鍼灸治療を開始して、小さい子供のお世話と少し遠方の方で忙しかったのですが頑張って通われ、治療を続けられたことで耳の不調がなくなり、元と変わらない状態まで回復されて本当に良かったです。