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加藤淳鍼灸院
鹿児島市東谷山1-36-1 フリーダイヤル:0120-706-219(鹿児島市外からは携帯・PHSでかけることができます。)

当院での鍼灸は“気の調節”です。 全身の気の流れを良くしていくと、気づかなかった 体の変化に気がつきます。

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筆者

加藤淳鍼灸院院長:加藤 淳 加藤淳鍼灸院 院長 加藤 淳

プロフィール

1974年生まれ。
明治国際鍼灸大学卒業後、鹿児島にて有川医院院長故有川貞清氏に師事。
鍼灸の起源を追求すべく、「始原東洋医学会」を開催する。
鹿児島や関西にて勉強会を開催し講師を務める。
執筆書籍に「経絡図譜」「新しい鍼灸診療」等がある。

五十肩、石灰沈着性腱板炎と鍼灸治療

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鍼灸治療に五十肩の治療が有効であることは今までの治療経験から確かな事実です。

当院のHP動画にあるようにその場で挙がるようになる方は、私の経験では全体の6から7割くらいいます。

五十肩と似たような症状に石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)というのがあります。症状が五十肩と似ていますが整形外科でレントゲンを撮れば腱板部分にリン酸カルシウムの結晶が沈着しています。石灰化した部分が白く映るのですぐに診断がつきます。

4月25日(金)往診先の御家族から相談を受けました。

85歳の女性です。糖尿病から網膜症で片目は全くみえず、もう片方はうっすらわかる程度だそうです。その他の症状は脊柱管狭窄症があり、100mくらいしか歩けず休憩するとまた歩けるという所謂、間欠性跛行の症状があります。

「昨晩から右肩が痛くなり、熱く熱がでてきました。うずいて痛くて眠れなかった。体温は目が見えないから測っていませんが熱が出ていた。今朝、家の前にある整形外科を受診すると石灰が沈着しているといわれた。」

「ほら?みて全く動かすことができない。痛い。」

「痛そうですね。全く動きませんね。熱もあったんですか?今もあるんですか?」

「今はないよ。昨晩は熱がでた。」

「きつそうですね。じゃあ、後でお父さん治療したらみますね。鍼灸でよく効くことがありますよ。」

となぜか言ってしまった。自らハードルを挙げてしまった。石灰沈着は鍼灸治療でも手ごわいことが多いのに。なんで何も考えずにいってしまったか。自分で馬鹿だな~って思いながら何事もなかったように治療を開始した。

まずは左の頭にテイシンを当てた。そして、患部に対して服の上からテイシン(マイナス点)のみを治療した。

「今どうですか?」と聞いてみた。

「あれ?あれ?さっきの痛みがない。挙がりますね。」

そうかな?挙がっているかな?と思っていたが少し動きが軽そうに見えた。

肩の周りのマイナス点をもう一度テイシンで当てた。

すると
「あれ?挙がる挙がる。不思議だ~。」といって手を挙げてみせた。肘は曲がったままだったが確かに上まで挙がってきてた。

「お~挙がっていますね。」

とはいったものの挙がる時はもっと劇的に挙がることが多いから少し気になっていた。もっと挙がらないかな?これでいいのかな?と考えていた。

円皮鍼にまくらを厚めに引いてマイナスの処に3か所貼って終わった。

3日後にまた来るのでその時みせてもらう約束をした。

多分、また戻ってきちゃうんじゃないかな?この肘を屈曲した状態で挙がるとこまでは行ったけどそこから更に回復するのだろうか?鍼灸治療は初回が劇的なことが多いがこのままどういう経過をたどるか病気の程度や個人差が大きいと感じている。

そして、3日後伺った時におうちに着くとすぐに

「先生、前回お昼に治療をしてもらって夕方からすっかり良くなった。
ほら?」

とひよいと両手を挙げてみせてきた。140428_1304~002

「え~あれからもう良いんですか?痛くないんですか?」
「はい。痛くないんです。まあ完全ではないんだけど痛くないです。」

「良かったですね。しかし、肩はどうなっているんでしょうかね?
石灰化は?また病院でレントゲン撮って下さい。」

「担当された先生が金曜日ですから金曜日いこうかな?私がいっても目がみえないからね。」

「それでも、大丈夫ですよ。担当医も知りたいはずです。こんなに早く回復した原因を」

こんな症例がある時は、あ~。治療の映像を撮りたかったといつも思います。
一応、3日後の写真だけは撮りました。患者さんの許可のもと写真の掲載をします。

しかし、挙がらなかった時の写真もない。
患者さんが「最初はこのくらいだったかな?」と話したものを撮影したけど全然雰囲気が違う。

この写真より実際の方が痛そうだったし挙がっていなかった。

本当、身体の中で何が起きているのか鍼灸治療ではしばしば驚かせれることがある。

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