【頸椎椎間板ヘルニアの症例】
こんにちは!鮫島です。
こんな方が来られました。
病院でMRIをとり、C2~7頸椎椎間板ヘルニアと診断された71歳女性の方です。
鍼灸院に来る約5カ月前から左肩が痛み、指先が常にしびれている状態でした。
そのうち腕がきつくなり、だんだん挙がらなくなりました。
病院でリハビリ3カ月メニューを作ってもらい1カ月通いましたが、全く変わらずほとんど動かない状態が続いていました。
1か月全く動かない状態で不安になっていた時に、知人に紹介され今回来院されました。
当院に来られた時に肩がどのくらい挙がるのか確認すると約20~30°の位置でピタッとブロックがかかりほとんど肩を挙げることができませんでした。
家でも夜中に左肩の痛みで何度か目が覚めるそうで、長時間同じ姿勢で寝ていると左肩の痛みが出てくるために、左肩の痛みを気にしながら寝る姿勢も夜中に何度も変えているということをおっしゃっていました。
はりきゅう治療(灸頭鍼、せんねん灸)をしたあと、頭の反応点にあぶり灸をしました。
治療前と同様に肩の挙がり方を確認すると、来た時は20~30°くらいの位置でブロックがかかり全く挙がらなかった肩が可動域を広げながら少しずつ少しずつ上に挙がっていきました。
さらに、頭の反応点にテイシン(刺さない鍼)を当てもう一度肩を挙げてもらうと、
「お、お、おぉ~。」と思わず声が出ました。
気付けば180°くらいの位置(真上)まで動かしていました。
本人が一番驚いた表情をしておりました。
一か月ほど全く動かなかった肩でしたので、少しずつ挙がっていく光景が非常に衝撃的でした。
院長が「少し前に進みましたね。」というと、本人も「はい。」と笑顔で答えていました。
その表情は今後良くなるかもしれないと何かいい兆しがみえたようでした。
しかし、これほどの痛みを長い間抱えていましたので、本人も不安そうな顔で「このまま挙がるようになりますか?」と院長に聞いていました。
院長は「約一か月全く動かなかった肩ですので、根が深いです。痛みが全くなくなり、手が完全に挙がるようになるには時間がかかると感じています。しかし、何もしなければ“0”のままです。今日の治療で前に進みました。この手が全く挙がらない状態が続いていたわけですから。今手が挙がってもまた戻る可能性が高いです。それでもこれだけの変化がでて前に進んだことが大切ですから治療を続けて様子をみていきましょう。」と伝えていました。
それから毎日のように鍼灸院に通い、治療を続けました。
続けることは簡易なことではありませんが、院長から言われたように何もしなければ0のままですが、はりきゅう治療をする前一か月全く動かなかった肩が一回の治療で上まで挙げられるようになる変化が出たというのは凄いことだと思います。
これから良くなるという可能性を信じて治療に励む患者さんの姿勢に私自身学ばせてもらう症例でした。